東日本大震災の津波が押し寄せる釜石湾内で波に翻弄される大型貨物船の写真を載せた大きな看板が、釜石市役所から浜町の高台に通じる通称『避難道路』に設置されている。
港湾に近い町内会や商店街などで組織する「みなとかまいし地区会議」が、地域住民の防災意識を高め、被災地を訪れる観光客などに津波の恐ろしさをアピールするため、2015年の夏に設置したもので、地区会議副議長の菊池新之助さんは、「湾内を木の葉のようにぐるぐる回っている貨物船の写真は、論より証拠で真実が伝わる」と看板設置の意義を強調する。
市の市民生活部は、「震災時の避難場所にもなっているこの高台の看板は、いざという時、逃げる場所を思い起こさせる効果がある」と期待を寄せている。